​​カナダの大手暗号資産(仮想通貨)取引所の創業者が死亡したことにより、約200億円分の暗号資産(仮想通貨)が「実質紛失」してしまったというニュースが先日報道された。

このような事例は今回が初めてではなく、暗号資産(仮想通貨)資金が取り出せなくなってしまう事例は過去何度も発生している。​

そこで、現在どれだけのビットコインが「永久に取り出せない」状態にあるのか。Chainalysis​がレポートをまとめた。​

​ビットコイン総量のうち最大22%が永久消滅の可能性​

​すでに「永久に取り出せなくなってしまったビットコイン」に関する分析レポートが、Chainalysis​によって提出された。

今回の分析は予測値となっているが、Chainalysis​​はビットコインアドレスに年齢をつけることにより分析の精度を高めている。

(出典:Chainalysis​​​)

Chainalysis​​​​ではまずビットコインを「①紛失・マイニング前のビットコイン」「②長期投資目的のビットコイン」「③投機目的のビットコイン」「④サービスに使われるビットコイン」に分類している。

このうち紛失の可能性を示唆しているのは前者の二つで、これらを分析している。

(出典:Chainalysis​​​)​

①の場合

  • 紛失・マイニング前のビットコイン:631万BTC
  • このうち、失われたビットコイン:230万BTC以上

②の場合

  • 長期目的保有のビットコイン:741万BTC
  • このうち、失われたビットコイン:150万BTC以上

この分析から永久に失われたと考えられるビットコインは380万BTC以上となる。ビットコインの総量は2100万BTCであるから、すでに総量の18%を失われていることになる。

さらにChainalysis​​​​​はこの分析に幅を持たせて、最大で22%が「永久に凍結された」としている。

永久消滅したビットコインが増えるとどうなるのか​

永久消滅したビットコインが増えれば、コミュニティーに不信感が募る。

ビットコインの根幹部分である「供給量に上限値がある」ことが不透明になれば、ビットコインの価値は揺らぐことになる。

そうなると、ビットコインの価値は下がることや、発行上限が定められていないアルトコインに人気が移る可能性が考えられる。