​2018年の​暗号資産(仮想通貨)ビットコインは、典型的なバブル崩壊のチャートなった。1月からから始まった暴落の連続は、プロのトレーダーも驚くほどのものだった。

2018年1月のコインチェックの暗号資産(仮想通貨)580億円流出事件などから暗号資産(仮想通貨)全体に対する不信感も拍車をかけ、今年一年でビットコインは1月の最高値200.8万円から、12月31日は41.6万円と、”79.3%”の下落となった。​

日本だけでなく世界がビットコインに熱狂した2017年。それとは対照的な1年となった2018年をテクニカル的な視点から振り返り、2019年のシナリオを分析していこう。​


2018年の​仮想通貨ビットコインテクニカル分析

ビットコインは年始から大暴落を続け100万円の大台を割り込んで以降は、ディセンディングトライアングルの中を推移していた。

このディセンディングトライアングルは、1月後半の高値と11月の中旬を結んだレジスタンスライン(オレンジ)と、2月以降何度も意識されてきた64万円でのサポートライン(赤)によって構成されている。

ここのディセンディングトライアングル内で、11月までにおよそ10回程度上下のブレイクも試みるもどちらにも抜けない状況が続くほど、非常に強力に作用していた。

そして、この拮抗が破られたのが11月の中旬である。

このディセンディングトライアングルを下に抜け出し、60万円を大きく下抜け、50万円も割り込む結果となった。

12月は、その暴落の影響を引きづり現在45万円付近を推移している。


2019年の仮想通貨ビットコインの推移を分析

ビットコインは、このまま更に大きく下落し、セリングクライマックスを迎える可能性が考えられる。

多くのプロトレーダーは、未だにこのビットコインの価格は大底ではないと見ている。

さらなる下落のシナリオは、このままズルズルと価格を下げ、2017年7月や2017年9月の長い下ヒゲである30万円のライン(青)で揉み合った後に、このラインを下抜けし25万円のライン(黒)程度まで下がると予想している。

黒のラインまで行った場合には2017年のバブル前の価格まで戻るため、もしビットコインに実際に金融商品としての価値がある場合には上昇に転換する可能性が考えられる。

一方で、市場から完全に見放された場合には、再び上昇に戻ることはなく、無価値のものに成り下がってしまう可能性もある。

もしくは、多くの市場参加者がこの12月の45万円を大底だと考え、買い圧力が​大きく増し、何度も意識されてきたレジスタンスライン(オレンジ)をブレイクした場合には、サポートライン(赤)である60万円までの上昇が考えられる。


どちらのシナリオになるにしても、ビットコインそのものに金融商品としての魅力や価値がなければ、今後さらに上昇していくことは難しいだろう。

現在ビットコインは、ITバブル崩壊チャートに類似しており、実際にIT株には金融商品としての価値があったのだ。

今後ビットコインの開発が更に進み、世界のビットコインへの理解が進み、正しい規制が敷かれれば十分に将来性はあるだろう。


また、編集部が注目しているのは今年の1月から減少し続けていたビットコイン取引の出来高がこの12月に入ってから大幅に上昇していることだ。

多くの市場参加者が再びビットコインの動向に注目していることが考えられる。

ビットコインの2019年が明るくなることに期待が高まる。