Bloombergが米大手仮想通貨取引所Coinbaseの上場が4月になると報道している。
更にCoinbaseは、虚偽および誤解を招くような不正確な情報を提供したとしてCFTC(米商品先物取引委員会)から650万ドル(約7億円)の支払命令を受けており、二重苦に直面することとなった。

CoinbaseがCFTCから罰金の支払命令

ナスダック上場を控えて大きな注目を集めていたCoinbaseであったが、ここに来て苦境に立たされている。
CFTCが、Coinbaseが虚偽および誤解を招くような不正確な情報を提供したとして650万ドル(約7億円)の支払いを命じている。
今回の支払い命令に対し、CFTCのVincent McGonagle氏は以下のように述べている。

虚偽および誤解を招ような不正確な取引情報を提供することは、仮想通貨の価格設定の整合性が損なわれます。
この強制措置は、委員会がこうした情報の完全性と透明性を守るために行動するというメッセージを伝えるものです。

支払命令の背景

CFTCによると、2015年1月から2018年9月の間にCoinbase社が運営するGDAX取引プラットフォーム上で、仮想通貨の取引に関する虚偽および誤解を招くような不正確な報告があったと指摘している。
この期間にCoinbaseはHedgerとReplicatorという2つの自動取引プログラムで運用していたが、GDAX取引規則ではGDAXで取引されていることを開示していたが、複数の取引プログラム・アカウントを通じて運用を行っていることを開示していなかった。
さらに、これらのプログラムが特定の取引ペアで互いに注文をマッチングさせ、コインベースが所有する口座間で取引が行われたとして、取引情報をウェブサイトに掲載した。
この取引情報は投資家が仮想通貨の取引や所有に関連した価格把握のために利用されるものであり、Coinbaseの行為は取引量や流動性のレベルを虚偽および誤解を招くような不正確な情報の提供に当たると指摘している。
そして、CFTCは2016年8月から9月の6週間にわたり、Coinbaseの元従業員がライトコイン/ビットコインの取引ペアの買い注文と売り注文をGDAX上で意図的に一致させて操作的または欺瞞的な取引をしたと認定した。
これにより、投資家にライトコインの流動性と取引量があるように見せかけて誤解を招いたとして、会社としての責任を追求した。

上場の延期

今回のCFTCの件は和解となったが、ナスダックへの上場は4月に延期になったとBloombergが報じている。
Coinbaseからはコメントが出ておらず、上場延期の理由は明らかになっていない。
ナスダックへの大型上場として注目を集めているCoinbaseの1月から3月15日までのVWAP(売買高加重平均価格)は、343.58ドルで時価総額は約676億ドル(約7.3兆円)に上る
また、同社の2020年の純売上高は11億4000万ドル(約1240億円)で前年の2倍以上増加しており、前年の赤字から黒字転換している。

果たして突然の延期はどういった理由なのであろうか、今後の進展に注目したい。

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この記事はBloombergの「Coinbase’s Direct Listing Pushed Back to April」を参考にして作られています。