ビットコインは暴落と「主流化」の分水嶺に

先日、米Citi銀行のアナリストチームは、ビットコインについて約100ページの詳細なレポートを発表した。”At the tipping point”(転換点にある)という副題の付けられたそのレポート内では、ビットコインはまさに今、投資資産のメインストリームに定着するか、バブルが崩壊して市場が崩壊するかの分水嶺にあると分析されている。

ビットコインはデジタル送金手段として注目株に

レポートでは、決済大手のペイパルやマスターカードなどがビットコインを採用したことに注目。デジタル・ゴールドという「価値の貯蓄手段」としての側面だけでなく、送金・決済手段として投資家の注目を浴びていると述べた。また、テスラやマイクロストラテジー社のような企業が大規模な投資をおこなったことで、ビットコインが投資資産のメインストリームに押し上げられていると指摘した。今後、中央銀行デジタル通貨(CBDC)のような公的なクロスボーダーの送金・決済手段にも利用される可能性があると述べている。

あくまでビットコインの未来は「不確か」

レポートでは、上述のようなビットコインの未来を提示しつつも「あくまで楽観的なもの」というスタンスが取られている。企業による投資はビットコインの成長を後押しするものはあるが、ビットコインにはまだ解決しなくてはならない問題が複数あると見られているためだ。以下のような問題に対処しなくては、投資家が離脱して市場が「爆発的に縮小する」とレポートでは述べられている。
ここで挙げられたビットコインの問題点とは、ビットコイン投資の費用対効果、ビットコインに関する保険・カストディの未発達さ、セキュリティ上の懸念、仮想通貨市場で使用されるペッグ通貨Tetherに対する懸念、マイニングによる電力消費のESG上の懸念などだ。これらの問題を解決できるかどうかが、ビットコインが資産のメインストリームに残り続けられるかどうかを決定づけることになるだろう。中でも、Tetherに対する懸念やマイニングによる電力消費は、技術的に解決できる問題ではないためリスクとして残り続ける可能性が高い。
今後これらの問題に対処しきれるのか、それとも解決できずに投資家が去ってしまい市場が「爆縮」するのか、注意深く見守る必要がありそうだ。

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この記事は、CryptoPotatoの”Bitcoin Still Has an Uncertain Future: Citibank Analysts”を参考にして作成されています。