リップル社は12月21日、米証券取引委員会(SEC)が同社に対し、ライセンスを受けていない有価証券の売却をめぐる大規模な訴訟を起こす構えにあると公表した。

米証券取引委員会がリップル社を提訴へ

リップル社CEOのGarlinghouse氏によると、SECの訴訟においてはGarlinghouseと共同設立者のChris Larsen氏が被告に名を連ねる予定だという。

訴えられる側であるリップル社がこの発表を行ったのは異例のことだ。

当局がリップル社を訴えた場合、リップル(XRP)が株式のような証券であるか(株式は当局に登録する必要有り)、もしくは通貨であるか(当局範囲外)が争点となる。

Garlinghouse氏は、次期バイデン政権はトランプ政権よりも仮想通貨業界に友好的であるかもしれないと予測しており、リップルの先制発表が政治的要素を持つ可能性を示唆している。

同氏はこの件についてリップル社として争うとの姿勢を示し、「これは仮想通貨業界全体とアメリカのイノベーションに対する攻撃だ。」と語っている。

リップルは証券に該当するか?

SECはビットコインとイーサリアムについては、証券ではないとの判断をすでに下している。

リップルがビットコインやイーサリアムと異なっている点は、マイニングによって生み出されたわけではないという点にある。

リップルは2012年にRipple Labsという企業のために一気に開発されており、現在リップル社が保有するリップルは定期割当で売却されている。

そのなかでGarlinghouse氏とLarsen氏は、それぞれかなりの量のリップルを所有しており、一部の観測筋は、リップルを通貨というよりも企業の株式に近いものと見ているようだ。

この点についてリップル社は何年も前から、リップルはセキュリティだという考えを積極的に推し進めてきた。

同社によると、同社はリップルを自由に活用する裁量はなく、銀行や他の加盟店がリップルを国境を越えた取引のブリッジ通貨として使用するようになるにつれ、リップルは分散化が進んでいるとのことだ。

リップル社CEOは強気姿勢貫く

この問題は連邦裁判所によって解決される可能性があり、このような訴訟は成長著しい仮想通貨業界に影響を及ぼす可能性を持っている。

今回の問題が起こる数カ月前には、Larsen氏らリップル社幹部が、規制当局の高圧的な行動に対応するため、本社を米国外に移転する可能性を示唆していた。

Garlinghouse氏はまた、ビットコインとイーサリアムの大部分は中国で生み出されていることに対し、リップル社はアメリカの会社であると指摘して大きな注目を集めていた。

氏は以下のように述べている。

SECに業界全体をいじめさせてはならない。私たちは歴史の正しい側にいるだろう。

今後事態はどのように動いていくのか。リップル社を含め、業界にとっても大きなターニングポイントとなるだろう。

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この記事はFORTUNEの「Ripple says it will be sued by the SEC, in what the company calls a parting shot at the crypto industry」を参考にして作られています。