ビットコイン(Bitcoin)の基礎知識

 ビットコイン(Bitcoin)とは通貨略号BTCの仮想通貨であり、2017年10月22日現在で仮想通貨時価総額ランキング1位を誇るもっとも有名なコインです。2009年に仮想通貨の先駆けとして発表されたビットコインは新たな金融サービスとして瞬く間に注目を集め資産が集中しました。


 しかしその一方でビットコインをめぐるトラブルが世界各地で発生し、時には重大事件に発展したり世界経済に大きな影響を与えることも増えてきています。これに対して各国政府は戸惑いながらも規制や法整備に追われているのが現状で、まだまだビットコインを取り巻く環境は不安定だと言えます。


 この記事ではビットコインに関連した重大事件を国内・海外の両面から切りこんでいき、それに対する各界の対応やビットコインを扱うみなさんの気を付けるべきポイントまで解説していきます。


 ビットコイン(Bitcoin)消失or横領事件?マウントゴックスの経営破綻

 世界最大級の取引所マウントゴックスの倒産

 ビットコインに関わる重大事件と聞いてまずみなさんの頭に浮かぶのはこの出来事だと思います。2014年2月、当時東京を本拠地とする世界最大級の取引所であり特に世界のビットコインの大半を扱っていたマウントゴックスが、突如取引を中止しビットコインの価格は暴落しました。これに関してマウントゴックスのCEOであったマルク=カルプレスは「ビットコインが盗まれた可能性が高い。」と発言し、後日CEOを辞任しています。


 一連の騒動は世界を震撼させ世界経済に大きな影響を与えたほか、ビットコインのみならず仮想通貨の脆弱性を暴露することとなりました。


 ビットコインは盗まれたのか?横領されたのか?辞任した社長の気になるその後も

 なぜこのようなことがおこってしまったのでしょうか。とあるソース不明の内部流出文書により、マウントゴックスは何年にもわたるビットコインの窃盗を認識するこができず約75万ビットコイン(約400億円)を消失し経営破綻に至ったことが報告されましたが、その信用性の低さゆえ様々な憶測が飛び交いました。


 そこで警視庁が捜査を行ったところビットコインの購入履歴がないのにも関わらず残高が増えている口座が発見され、その持ち主であった元マウントゴックスCEOマルク=カルプレスに疑いの目が向けられたのです。


 2015年8月に彼は警視庁に逮捕され、現在も東京地裁で裁判が行われています。このようにマルク=カルプレスがビットコインを横領したという見解が一般的ですが、この捜査・逮捕の裏側では黒幕や真犯人がいるとのうわさが後を絶たず、実際に海外の取引所の管理人がビットコイン窃盗の疑いで逮捕された例もあることから情報は錯綜し、真相はまだわかりません。

コインオタクではマウントゴックスについて書いた記事もあるのでこちらもご覧ください!

世界最大のビットコイン交換所が破綻したマウントゴックス事件。流行にのって適当に取引を始めると大変なことになるかもしれません。自分の資産を守るために知っておく、マウントゴックス事件の概要とその後について解説します!

 

 名古屋?大垣?日本国内でおきたビットコイン(Bitcoin)がらみの殺人事件

 マウントゴックス倒産事件からはや3年。ビットコインの名をニュースで再び聞くことになったのはこの日本でおきた殺人事件でしょう。2017年7月ある山林で女性が遺体で発見され、これにどうやらビットコインがからんでいるということがわかると、事件は一躍注目を集めました。この事件に関して名古屋や大垣で殺人事件がおきた?などの声があるので、ここで一度 情報を整理しておきましょう。


 まず遺体が発見されたのは滋賀県の山林であり、愛知県名古屋市はその被害者女性の、岐阜県大垣市はその容疑者男性のそれぞれの在住地です。容疑者と被害者はビットコインの投資セミナーで知り合い、容疑者が被害者にビットコインの投資の相談をもちかけ、(動機はまだ不明ですが)殺害に至った疑いがあります。


 これはビットコインが一応の発端となったこともありメディアによって必要以上にビットコインが強調されて報道されました。これによりビットコインや仮想通貨に対するネガティブなイメージは多少なりとも生まれましたが、みなさんに理解してほしいのは、この事件はビットコイン特有の性質やシステムが関与したものではないということです。


 つまり他の通貨を含む様々な金銭がからんだ話にはこういったリスクが残念ながらつきまとってしまい、なにも今回の事件はビットコインでなくても十分起こりえたということです。


 世界のビットコイン(Bitcoin)関連の事件まとめ

  日本国内でおこった事件はビットコイン関連の事件の氷山の一角です。世界ではよりグローバルなスケールで重大事件が起きています。これらの事件はいずれ日本でおきてもおかしくないので、世界のビットコイン事件を理解することは自らの身を守るためにも大切なことです。それでは実際に世界でおこったビットコインがらみの事件を見ていきましょう。

 ハッキング

 ビットコインのハッキング事件は世界各地でおきており、違法取引サイトシルクロードや韓国のBithumbなどハッキング被害を挙げればきりがありません。またこのような大手企業だけでなくマイニングプールから仮想通貨が盗み出されたことがあります。特筆すべきハッキング事件としては次の2つがあります。

ビットフィネックス事件

 1つ目は2016年8月香港を拠点とする大手取引所ビットフィネックスがハッキングを受け、約65億円相当のビットコインが顧客口座から盗まれた事件です。これは、マウントゴックス事件が内部犯行の可能性が浮上したのと異なり、完全に外部からのハッキングを許した事件であったため注目を集め、未だに犯人は不明です。


 この事件によりビットコインのみならずビットフィネックスも信用を失いましたが、ビットフィネックスは債務トークンの発行などにより、ハッキング被害を受けた投資家や利用者に被害額を完済しました。さらに教訓としてセキュリティの強化に全力をあげたため再びユーザーの信用を回復し、現在では事件前と同様に取引所として稼働しています。

 

Bitfinex(ビットフィネックス)は香港に拠点を持つ、ドル建てビットコイン取引量世界一を誇る仮想通貨取引所です。ハッキング被害から回復?取扱通貨の種類は?使いやすい?Bitfinexに関する全ての疑問を徹底解消!


THE DAO事件

​ 2つ目はイーサリアムの技術やシステムを応用した通貨DAOがいとも簡単に盗難されてしまった事件です。DAOは開発当初からセキュリティに問題があるという指摘を受けていましたが、それが現実となり発行されていた150億円相当の30%以上である約50億円相当のDAOがハッキングにより盗まれました。


 これに対して開発者側はハードフォークと呼ばれる強制処置で対応しました。つまりブロックチェーン上の取引履歴を強制的に盗難前まで戻すというものです。これによりハッカーも盗んだコインを使えなくなり、開発者側も被害を帳消しにできましたが、イーサリアムやDAOの信用は大きく揺らぎました。


 これら事件の原因のひとつとして考えられるのは仮想通貨システムの脆弱性で、各取引所や仮想通貨管理会社はセキュリティの強化に全力で取り組んでいます。


詳しい記事に関してはこちらをご覧下さい。

The DAOは、世界中から注目された超有名な人気ICOでしたが、システムの脆弱性を突かれ時価80億円程の資金を盗まれるという事件を起こしてしまいました。その事件の内容や今後への影響をコインオタクが真剣に考察しました!

 

 資金洗浄(マネーロンダリング)

 資金洗浄とは資金を口座から口座へ転々とさせてその出所をわからなくさせる方法で主に不正な資金に行われます。

4400億円相当もの資金洗浄事件

 ビットコインを使った資金洗浄事件の例として2017年7月に逮捕されたロシア人アレクサンダー=ビニック容疑者が挙げられます。彼は詐欺や違法薬物取引で得た約4400億円ものビットコインを現金化して資金洗浄した疑いがありますマウントゴックス倒産事件とも関連があるのではないかと注目されています。


 逮捕された時期がつい最近ということもあり信頼できる情報はあまりあがってきていませんが、彼がマウントゴックス倒産事件にハッカーとして関与していた疑いもうわさされています。


 このような大金がビットコインにより資金洗浄されたと聞くとビットコインは資金洗浄の温床かと思う人がいると思いますが、本当はビットコインは資金洗浄に向いていないともいわれています。というのもビットコインはブロックチェーンという記録装置がコインの流れを記録し、それをトレースできる仕組みになっているからです。事実として4400億円もの資金洗浄が発覚したのもこの仕組みを利用して、ビットコインの移動を追跡できたからです。

 詐欺

 ビットコインの詐欺はビットコインの認知度の上昇にともなってより身近になってきています。典型的なのは昔からあるポンジ・スキームという手口でいわゆる「自動車操業」です。「絶対もうかる」というのを文句に出資させ、出資金を持ち逃げします。

またねずみ講のように会員を勧誘するマルチ商法も横行しています。仮想通貨は他の投資、例えば株や為替などと比べて莫大な利益を上げやすいことで(もちろん暴落もありますが)夢見がちな人が詐欺に引っかかりがちだということが言えます。

どこかで一度は聞いたことがあるワード「ビットコイン」「仮想通貨」。2017年は「仮想通貨元年」とも呼ばれています。でも一体ビットコインて何??仮想なのに通貨??詐欺じゃね??そんなビットコイン詐欺にまつわるあれこれを徹底解明!!!

 

 闇採掘

 中国ではビットコインの闇採掘が横行しています。中国には政府が中国の全電力を供給する制度があるのですが、闇採掘とはこの電力を使わず違法な電力を使ってマイニングを行うことを指します。違法の電力で闇採掘した場合、政府はこのビットコインを把握することができず、違法取引などに使われてしまう可能性があります。


 これはビットコインの性質に関わる問題ではありませんしまだ重要事件に発展したりはしていませんが、すでにICOを禁止した中国政府の新たな規制や市場の動向に関わるので理解しておく必要性があります。


 闇取引

 ビットコインは時として違法薬物や違法な武器、盗品、個人情報の取引の決済手段として用いられます。

シルクロード摘発事件

 闇取引でもっとも有名な事件は2013年10月の違法サイトシルクロードの摘発です。このサイトは違法薬物などを扱うサイトで決済にはビットコインのみを認めていました。この摘発によりシルクロードのビットコイン取引高が全世界の取引高の1割を占めていたことが発覚し、いかにビットコインが闇取引に利用されていたかが暴露されました。


 ​この摘発によりシルクロードの創始者ロス=ウルブリヒト​が2013年10月に逮捕され、2015年5月に終身刑の実刑判決がくだりました。


 最近は取引所が本人確認できるものを求めたりしてビットコインの安全性を確保しようとしているので、ビットコインから匿名性の高い別のコインに闇取引がシフトしています。それゆえビットコインの安全性が高くなっても、別のコインでまだまだ闇取引が横行しているのが現状だと思います。


 ビットコイン(Bitcoin)の事件に対する各界の反応

  今まで見てきたような事件に対して、仮想通貨の開発者や投資家、市場はどのような反応を見せたのでしょう。また政府などの公的機関はどのような対応に迫られたのでしょうか。

 仮想通貨界の動揺

 2014年のマウントゴックスの経営破綻はビットコインの価格を暴落させ、その影響は仮想通貨界全体にまで及びました。しかしその回復は想像よりも早く2015年からビットコインは緩やかに上昇し始め2017年には仮想通貨界全体がバブルのような状態にまでなっています。


 これはマウントゴックスの倒産は取引所の管理システムに問題があっただけでビットコインそのものに問題はないと世界が認識したからだと思います。マウントゴックス倒産後には新たな取引所が日本に参入するなど盛り上がりをみせました。


 対応に追われる政府

 2014年にマウントゴックスが倒産した際、日本政府は仮想通貨のあつかいとして「通貨ではなくゲームコイン」との公式声明を出し、事件に対応しました。


 しかし仮想通貨が原因のトラブルや事件が目立つようになってきたのもあり、政府は2016年はじめに仮想通貨は「通貨の機能」をもつという内容を閣議決定しました。そして実際に2017年4月に資金決済法が改正され仮想通貨に関する法的なルールや規制が定められ、仮想通貨をとりまく環境が整備されています。現在でも仮想通貨に関する規制や法整備が手さぐりながら少しずつ行われています。


 ビットコイン(Bitcoin)の事件に巻き込まれないために

​ 増加するビットコイン関連の犯罪に対処するにはどうすればよいのでしょう。まず言えるのはビットコインを含む仮想通貨の正しい知識を獲得することです。こうすることで上で述べたポンジ・スキームやマルチ商法は回避できます。


 これに加えてみなさんに実践してほしいのは仮想通貨を保管するウォレットをオンライン上につくらないことです。オンライン上にウォレットがあるとサイバー攻撃を受け資産が盗まれるという可能性も否定できません。自らの資産を守るためにもウォレットはPCやスマホに入れたり、これらより安全性の高いハードウェアウォレットを選ぶようにしましょう。

 まとめ

​ここまで記事を読んでいかがだったでしょうか。ビットコインを利用したついた悪質な事件もあれば、本質的にはビットコインと関係ないのにメディアがやたらとビットコインの名を出したがるという事件もあったと思います。


 今年2017年は仮想通貨元年とも言われ、仮想通貨の理解が広まるとともに新たな犯罪も増えていくでしょう。しかしその裏では政府も仮想通貨の規制や法整備を急ピッチで進めているのです。正しい知識をもち正しい対策をすればビットコインをよりエンジョイできると信じています。