暗号資産(仮想通貨)を利用した「セクストーション(性的なネタで相手を脅迫する)」詐欺が世界中で発生しており、170万ドル以上の被害が出ている。

この詐欺は手口が非常に悪質な上、犯人グループの技術力の高さにも注目が集まっている。

アダルトサイト利用者へビットコイン請求メール詐欺 世界中で問題に

犯人の握るユーザーの個人情報と引き換えにビットコインを要求するメール詐欺が世界中で問題になっている

中でも「セクストーション」と呼ばれる性的なネタで相手を脅迫する詐欺に、その手口と高い技術力から注目が集まっている

ターゲットとなったのはアダルトサイトの利用者だ。

詐欺グループはまずアダルトサイトのメールサーバーに侵入し、利用者全員のメールアドレスを取得する。

そして、その全員に

「あなたの視聴したコンテンツと、あなたのPCのインカメラで撮影した視聴中のあなたの様子をネット上にバラまきます。それが嫌なら暗号資産(仮想通貨)を指定したアドレスに支払ってください。」

といった内容のメールを送信するのだ。

このときに狙われたアダルトサイトのメールサーバーは五箇所、世界中に分散して設置されていたのにもかかわらずその全てがハッキングされた点などから、犯人は高度な技術力を持っていたと考えられる。

この件で実際に送金した被害者の数は3,100人を超えており、被害額は一人あたり540ドル程度、全体で170万ドル(約1.9億円)にのぼるとみられる。

コーネル大学のコンピュータサイエンス教授のEminGünSirerはこのような事件に対し、「犯人と交渉することも、支払うこともしてはいけない」と忠告している。

技術が発達するにつれて犯罪の手口も日進月歩しており、ユーザー側も十分注意する必要があるだろう。