IOUの意味とは?

IOUとは、債務者が債権者に対して発行する非公式の借用証明書のことです。英語のI owe you(アイオーユー・あなたに借金をしています)の発音からIOUの名前がついています。本来IOU自体には金銭的価値はなく、借用額分の債権を保証するものです。

たとえば、Aさんが自分の銀行口座に10000円を入金をする場合、残高には「10000円」と表示されますが入金された10000円は実際には銀行の金庫に貯蔵されます。通帳に表示されている「10000円」は10000円そのものではありませんが、10000円をいつでも引き出す権利を保証する借用証明書(=IOU)です。この場合、債務者は銀行、債権者はAさんとなります。(この考え方によれば、銀行預金は銀行への貸与に等しいのです。)IOUの発行者は複数存在することもあり、IOUの発行を行したりIOUの換金を行う人や会社を「ゲートウェイ」と呼びます。IOUは個人間でやり取りが可能であり、IOUを持っていれば誰でもゲートウェイにお金をもらうことができます。


仮想通貨におけるIOUの使用例

リップル(XRP)

リップル(XRP)は新たなオンライン決済法の構築を目指すリップル社が発行する仮想通貨であり、ブリッジ通貨であることや決済スピードがはやい・安いことのなどの特徴を持ちます。

ブリッジ通貨とは☞二種の通貨の両替の手間を減らすために間に入る通貨のことです。

たとえば、ある銀行でA~Hの10種類の通貨を扱っていたとします。全通貨に関して両替を行えるようにするには、AとB・AとC,,,FとHの計45通りの両替に対応しなければなりません。対して間にリップルを挟めば、Aとリップル・Bとリップル,,,Hとリップルの計10通りに対応するだけでよいのです!この有用性は取り扱う通貨数が多ければ多いほど高まります。(通常銀行は30種程度の通貨に対応)


リップルのシステムではXRPそのものをやりとりするのではなく、IOUによる残高の書き換えにをより決済を行います。そもそもリップルはブロックチェーン技術を使っていません。例えばAさんがBさんに10XRPを送金したいとします。その際、直接Bさんのウォレットに10XRPを送るのではなく、「AからBに10XRP」というIOUがゲートウェイにより作られます。そのIOUをもとにリップル社がAさんの残高から10XRPを減らし、Bさんの残高を10XRP増やします(IOUはその後は破棄されます)。 このようにIOUを利用することでいちいちトランザクションをブロックチェーンに記入する必要がなく、結果決済スピードがはやくなっていて手数料も削減できているのです!

リップルについてはこちらをご覧ください。

 

​リップル(XRP)​とは、オンライン送金・決済が可能なネットワーク、及びそこで使われる仮想通貨の名称です。決済の所要時間・手数料が少ないことから、リップルは将来的に銀行間のオンライン決済などに利用されることが予想され、期待を集めています!

 

取引所での先物取引

取引所でのIOU取引は上場前のコインに関して言います。上場前のコインはまだ現物が存在しないため本来ならばやり取りができませんが、IOUを購入することで上場後のICOトークンを手にする権利が得られます。取引所が発行するIOUであるため、取引所の資本を信頼しなければならないです。また、多くの場合ICO時よりも高く値段が設定されています。


IOUのメリット

取引の手間を削減できる!

IOUそのものにメリットがあるというよりは、その使い方によりメリットがうまれることがあります。例えば先ほど紹介したリップルを例にとりましょう。通常の仮想通貨は、現物(コインそのもの)をアドレス間で移動させるためにブロックチェーン上にトランザクションを記入しそれを承認するマイニングを行います。マイニングには労力と時間を要するため決済に時間がかるうえマイナー手数料が多くかかります。通常10分かかるビットコインの送金に比べ、リップルではわずか数秒で送金ができます。このようにIOUを用いること手数料のかかる現物の取引を減らせ、手数料が安くなり時間も短縮することができるのです!


IOUのデメリット

残高が実質ゼロになることも?

IOUを所持していたとしても「現物」は所持していないため、IOUの発行元に元手がない場合IOUの価値はゼロになりことがあります。

たとえば、銀行にに20000円の入金するとします。入金を行うと自分の銀行口座には「20000円」と表示されますが、正確には20000円は銀行のATMに存在しています(その後銀行の金庫に輸送されます)。表示されている「20000円」はIOUであり、いずれ口座から20000円を引き出す際にはIOUが破棄されてATMから20000円が取り出されます。しかし残高に表示されている「20000円」はATMの中に20000円以上存在している場合でなければ当然取り出すことはできません。万が一銀行のATMと金庫の資金が極端に少なくなったときには、所持しているIOU(=残高)は無意味な数字になってしまうのです。

このような事態が取引所で実際に起きたのがマウンゴックス事件です。詳しくは下の記事をご覧ください。


また、このようにIOUの発行元が十分な資本を所持していない場合に所持しているIOUが無価値になってしまう可能性をカウンターパーティーリスクといいます。カウンターパーティーリスクを考えるうえでゲートウェイの信頼性をよく理解しておく必要があるでしょう。

世界最大のビットコイン交換所が破綻したマウントゴックス事件。流行にのって適当に取引を始めると大変なことになるかもしれません。自分の資産を守るために知っておく、マウントゴックス事件の概要とその後について解説します!

不正が行われるリスクがある

上記のようにIOUの価値は発行元であるゲートウェイが保証する中央集権的なシステムで、カウンターパーティーリスク以外にも、ゲートウェイが本来発行されるべきでない内容のIOUを発行するリスクがあります。残高を書き換える指示書であるIOUを作るのはすべてゲートウェイなのでゲートウェイが自由にユーザーの残高を減らしたり増やしたりできてしまいます。莫大な量の通貨を取り扱っていればある程度の不正はおそらく発覚しないですし、システム内で使われる通貨量自体が増えるわけではないため次第にシステムで齟齬が生じるはずです。いずれにせよユーザーにとっては不利益であり、中央集権的なゲートウェイを完全に信頼しなければならないのはデメリットであるといえるでしょう。

 

IOUまとめ

いかがでしょうか?今回は決済の中で使われるIOUのシステムについて説明しました。身近な銀行口座や有名通貨リップルなどでも使われている手段でもあり、今後IOUを利用する通貨も増えてくるのではないでしょうか?トレードをするうえで仕組みを理解することは不可欠であり、しっかりとメリットとリスクを覚えておきましょう