記事の概要

  • EUは現在ICOに関する調査を行なっており、欧州証券市場監督局長は肯定的な姿勢を見せた上で「調査の報告は年末に発表する予定だ」と発言。
  • EUは規制の下でのICO運用を考えており、既存の枠組みに当てはめるか新たな法制定を行うかが注目ポイントに。
  • EUに限らず世界各国でもICOに関する積極的な動きがあり、現段階では適切な規制整備が最重要だと考えられる。

 

EUはICOを規制の下で管理する方針

10月8日のロイター社の報道によると、EUの専門機関の一つである欧州証券市場監督局​(ESMA)は法的管轄下にある全てのICOについての調査を行なっているようです。今年1月にはICOに投資することで資産を全て失う可能性があると警鐘していたESMAのSteven Maijoor​氏​には最近の傾向であるICO規制緩和の動きに同意する姿勢が見られます。同氏は従来の資金調達企業と比べてICOは「余剰利益」を出せておらず、従来の資金調達方法とも異なっていることから、既存の規制にICOを当てはめた場合の市場への影響を調査していると発言しています。

その上でMaijoor​氏はEU経済通貨委員会に対してICOは金融商品と類似しており、故に法規制が整備されればその元で運用される可能性があると述べています。具体的に「問題としては従来の規制枠組みの外にあるICOをどのように対処するかということが挙げられます。私たちESMAは意思決定を行う組織としてこうしたICOを評価し、年末までには報告を発表する予定です。」と同氏は説明しています。

そして、ESMAだけだはなくEU全体としてもICOの実用を前向きに検討している傾向があるようです。欧州委員会副委員長Valdis Dombrovskis​氏は昨年末には欧州銀行監督局(EBA)や欧州企業年金・保険監督局(EIOPA)に仮想通貨投資に関するリスクの警鐘を促していました。ところが同氏は先月開催されたEU経済財務省会議において仮想通貨は生き残り、ボラタリティーの高さにも関わらず仮想通貨市場は成長し続けるだろうと市場に対して肯定的な認識をしていることを示唆し、ICOについても「新たな代替投資の形となる潜在可能性がある」と好意的な発言をしています。

現在EUは仮想通貨市場の規制に既存の法律を適用するか、それとも新たに法律を制定するかという問題を抱えています。この問題に関してDombrovskis​氏​は今後ESMA,EBA,EIOPAが協力して仮想通貨規制の解決策を見つけていくと発言しています。

世界各国でもICOに関する議論は熱を帯びている

そしてICO規制に関する動きは欧州圏だけでなく、世界各国でも活発化しています。米国では先月、15人の議会委員がSECに対してICOの明確なガイドラインを公表するよう嘆願書に署名しました。さらにUAEではつい先日、企業の資金調達手段としてICOを許可する方針を公表し、2019年の導入に向けて動いています。また、先週には韓国国家製作委員会委員長のMin Byung-Doo​議員は韓国国会にてICO合法化の重要性を説いています。

企業の資金調達方法として大きな注目を浴びていたICOですが、トークン暴落やホワイトペーパーの信用性の問題から中国を始めとして全面的な禁止をする傾向が昨年から続いていました。しかし、今年中盤に入って再度その有用性に注目が集まり、現在では「規制の下で」ICO運用を検討する国が増えてきている傾向にあります。他の仮想通貨関連技術についても同様のことが言えますが、今後普及していくかどうかは適切な規制が制定されるかということが重要な鍵になってくるでしょう。