1.スケーラビリティ問題とは​​

​ビットコインのスケーラビリティ問題とは、ビットコインのブロックサイズがボトルネックになって、1ブロックに書き込めるトランザクションの数が限られ、データ処理速度が遅くなるので、送金に時間がかかってしまうという問題です。

スケーラビリティ問題を知る上での予備知識​

ブロックチェーンの仕組み

ブロックチェーンとは分散型取引台帳の一つで、いくつかの取引をまとめたものをブロックといいます。それらをつなげることで、台帳にするのでブロックチェーンと呼ばれます。ブロックチェーンはネットワーク上に存在し、中央管理者がいません。そのため、誰でも過去の取引全てを確認ができますが改ざんはできません。なぜ改ざんできないかとマイニングという膨大な計算量を必要とする技術(後述)によってブロックチェーンに書かれた取引は絶対正しいということが証明できるからです。


ビットコインは、実際に存在するわけではなく、今までの取引が全部ブロックチェーンにかいてあって、さらにそれがマイニングによって正しいことが保証されているので、自分がどれほどのお金を持っているか確認できるという仕組みです。

詳しく仕組みを知りたい方は、こちらの記事を見て下さい!

 

ビットコインの仕組みってどうなってるの…?今さら人には聞けないそんな疑問にお答えします!この記事を読めば、ブロックチェーンやマイニングなどのビットコインの基本技術から、導入されたばかりの最新技術まで理解できること間違いなしです!

 


マイニングの仕組み

じゃあマイニングって何って話ですが、適当な数を決められた式に代入して、ある条件を見たす数字を見つける作業です。各ブロックに対応する数字を見つけるとそのブロックのマイニングが成功となり、新たなブロックが見つけられ、取引がブロックチェーンに書き込まれます。なぜこんなことをする第三者が存在するのかというと、このマイニングですが、成功させた人には、マイニング報酬として、新たにビットコインがもらえます。そのインセンティブによってマイニングは成り立っているわけです。

この作業が金鉱の採掘に似ているためマイニングと呼ばれます。詳しく仕組みを知りたい方は、こちらの記事を見て下さい!​

ブロックチェーンの仕組みを知っていますか?ビットコインをはじめとした仮想通貨で広く用いられているのに、きちんと知っている人は意外と少ないです。初心者向けの簡単な説明から始めて、他のサイトではなかなか教えてくれない細かい仕組みまで教えます!

 


ブロックチェーンのフォークについて

​ブロックチェーンのフォークとはビットコインのブロックが2つ以上見つけられブロックチェーンが分裂すること​です。マイニングが同時に2人以上によって行われた、とかのときに起こります。このような分岐が起こったときにどちらのブロックがビットコインのブロックチェーンの本流に当たるのか、というのは、先に、その先にブロックが6個以上繋がった方を本流とするというルールがあります。


スケーラビリティ問題の内容​

スケーラビリティ問題とはそもそもなにかというとブロックサイズが決まっていることにより生じる問題です。一つのブロックに対して書き込めるトランザクションの数が決まっているために、取引の処理が遅延してしまうという問題です。特にビットコインについてスケーラビリティ問題はかなり大きな問題になっています。ビットコインでは、ブロックサイズが1MBに制限されているため、データの処理速度が他の決済システムに比べてとても遅く、将来的にビットコインがもっと流行って日常決済で使われるとなったときにこれは大きな問題になります。これをしっかり解決していかないと決済における仮想通貨の利便性(銀行の取引よりも送金が早い、手数料が安い)などの長所が失われてしまうため、仮想通貨の今後の普及や、価格にも大きく影響します。​ビットコイン界隈ではこれに関する話題がめっちゃ重要なことで値動きにも大きく関係してきますし、これを解決するだけで、大きな価値がつきます。具体的には、このビットコインのスケーラビリティをケアしただけのアルトコインとかが出てきて、それが、時価総額何億円とかになっています。

2.技術的な解決方法​

ソフトフォーク

ソフトフォークとは、イメージとしては、条件を厳しくするもので、今までのものに追加して新たな規則を加えるアップグレートのようなものです。そのため、通貨としては今まで使っていたものをそのまま使えます。チェーンが永久的に分裂するのではなく、新たな検証規則に基づいて承認されたブロックを、前の古い検証規則に基づいて承認されたものにつなげることで、新しい検証規則で承認されてできたブロックと、古い検証規則で承認されたブロックが一時的にできます。ですが、この分裂は一時的なものです。なぜなら、新しい検証規則​を採用する人が大多数なら、新しい検証規則で承認されたブロックチェーンをつなげようとして、古い検証規則によって承認されたものは、間違っているブロックチェーンだとみなされるからです。そのため一度ソフトフォークを行うと、昔の検証規則で承認されたブロックチェーンに戻す(ダウングレート)はできません。それをするためにはハードフォークしなければいけません。

ソフトフォークについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を見て下さい!​​

 

仮想通貨に関するニュースで「ソフトフォーク」という言葉を聞いたことがあると思います。ソフトフォークはハードフォークと何が違うの?仮想通貨の価格にどう影響するの?などなど,ソフトフォークに関する疑問がこの記事を読めばスッキリ解決します!

 


ハードフォーク

ハードフォークとはソフトフォークとは違い、昔の検証規則を完全に無視して、新たな検証規則を適用するフォークのことで、昔のブロックチェーンとの互換性がありません。そのため、ブロックチェーンは永久的に分裂し、ハードフォークを行うと、「アップデート前の通貨」と「アップデート後の通貨」​が生まれ、それらは全く別の通貨になります。ハードフォークでは昔の検証規則によって承認されるブロックチェーンはそのまま存在するので、新たな検証規則で承認されるブロックチェーンに不具合が生じたときに昔の検証規則を使ったブロックチェーンに戻ることができます。ただ、単純に新たな通貨が生まれるということはマイナーがどちらの通貨をマイニングするか、によってハッシュレートが変わってくるので、一部のマイナーによって価格操作される可能性があるというのは、リスクです。

 

仮想通貨市場全体を揺るがすビットコインのハードフォーク。どうして起きるのか?大荒れの相場でリスクを軽減する方法とは?今回はハードフォークの対処法、仕組みや過程についてくわしく説明します!


Segwit​

segwitとは、Segregated Witness​の略で簡単にいうとブロックあたりのトランザクションの大きさを小さくすると言う解決策です。具体的には、今はトランザクションごとに行っている電子署名を他の場所に保管することで、ブロック内にあきを作ることでブロックサイズを小さくします。Segwitはソフトフォークでデメリットとしては、一回導入したら以前の状態には戻れないというのがあって、導入してその後になにか不具合が生じても解決できません。また、マイナー側のデメリットとしては、計算速度を上げる機械のASIC Boostが使えなくなるかもしれないというのがあって、大手マイナーはsegwit導入には反対していました。ですが、それはマイニングが非中央集権的になるということなので、ユーザーにとっては、メリットとも言えるでしょう。

ただ、Segwitは単にスケーラビリティを解決するためのものではなく、トランザクション・マリアビリティを解決するという目的が大きいです。マリアビリティとはなにかということですが、ハッカーなどによって、トランザクション・ハッシュという、ビットコインひとつひとつの送金に付与される固有のID​を変更することができるという問題です。これによって、トランザクション・ハッシュ​によって取引を特定できなくなり、トランザクション・ハッシュ​によって情報を管理している取引所などがこの攻撃にあったりしたら大きな問題になります。

事実マウントゴックスという取引所ではこのトランザクション・マリアビリティを突かれ、150億相当のビットコインを盗まれたという事件もありました。segwitを導入することで、このマリアビリティは完全かつ恒久的に解決されます。


現状のビットコインでは、このsegwitは既に導入されています。がしかし、スケーラビリティ問題を恒久的に解決するには至っていません。

 

ビットコインを語る上で外せないsegwit。技術的な話でよくわからない、色々な専門用語が出てきてよくわからない、そんなことを思っているあなた!コインオタクがsegwitを砕いてわかりやすく説明します!知っておくべき用語の1つなので必見!!

 

ブロックサイズの上昇​

ブロックサイズがボトルネックになっているならブロックサイズをそもそも大きくすればいいというのは、自然な発想かと思います。しかし、ブロックサイズを上げるというのはハードフォークで、デメリットもあります。そもそもブロックチェーンはみんなで取引台帳を監視するというのがビットコインの特性でした。しかしブロックサイズを大きくすると、ブロックチェーンのデータが大きくなりすぎて、普通のPCでは保存するだけの容量がなく、大容量端末が必要になります。そのため、一部のユーザーによってのみ、ブロックチェーンが管理され、ブロックチェーンのみんなで監視するという特性がなくなってしまいます。そのため中央集権的になってしまいます。


3.解決する上での問題点

マイナー側の意見と開発者側・ユーザー側の意見が違う

大手マイナーはsegwitが導入されると​​計算速度を上げる機械のASIC Boostが使えなくなるかもしれないというのがあって、segwit導入には反対し、ブロックサイズをあげるという解決策を推奨していました。それに対し、マリアビリティの問題もあり、開発者・ユーザーはsegwit導入を支持していました。そのため、コミュニティ内での世論はまっぷたつに割れてしまい、ビットコインの分裂騒動につながっていきます。

PoWの問題点​

そもそもなんで、マイナーという取引を承認するだけの第三者がそんなに影響力を持っているかという話ですが、これにはビットコインのマイニング​承認アルゴリズムに問題があります。​ビットコインのマイニング承認アルゴリズムである、PoW(Poof of work)というのは、マイナーはみんな平等にマイニングを行い、初めて計算に成功したものにマイニング報酬を与えるというものだが、ASICという専用のハードウェアが有利すぎるためマイナーの集中を招くという問題点がある。もし、仮に一つの大手マイナーが51%以上のハッシュレートをもってしまったら、取引のキャンセルや二重支払いなどの攻撃が容易にできてしまう、というリスクを孕んでいるので、ハードフォークには、マイナーの影響を強く受けすぎてしまいます。

プルーフオブワークは仮想通貨の取引の承認システムの一つです。これはいったいどんな仕組みでどういう特徴を持っているのでしょうか?プルーフオブワークに伴うマイニングという作業や、プルーフオブステークとの違いについても説明します!

 

4.スケーラビリティ問題に関するニュース​

今、ビットコイン界隈では、スケーラビリティ問題の解決策を巡ってビットコインの分裂騒動​が起きています。基本的には、中国大手マイニングプールと、ビットコインコアと呼ばれる開発者との論争です。

2017/5/23 NYA(ニューヨーク合意)

中国大手マイニングプール​とビットコインコア​での話し合いの結果、ニューヨーク合意と呼ばれる、一旦SegWitを導入して、その後1ブロックあたりの容量を2倍(2MB)にする​という案で同意しました。

2017/8/1 ビットコインキャッシュ分裂(UAHF)、BTCのsegwit導入(UASF)

ですが、ユーザーたちの反発の声は強く、UASFと呼ばれる、ユーザー主導のソフトフォークによって、segwitが導入されました。それに反発したマイナーは同じ日に、ビットコインキャッシュという1ブロックあたりの容量を8MBにするという内容のユーザー主導のハードフォークを実施しました。​

 

2017年8月にビットコインはビットコインキャッシュと呼ばれる通貨と分裂しました。突然生まれたビットコインキャッシュですが、一体何のために作られて、どんな価値があるのでしょうか?また今後のビットコインキャッシュはどうなっていくのでしょうか?

 

2017/10/25ビットコインゴールド分裂

これは、ビットコインのスケーラビリティ問題とはなんの関係もなく香港にあるビットコインのマイニング企業​によって突然行われたUAHFです。ビットコインのマイニングの難易度を下げ、マイニングに誰でも参加できるようにしたという内容のUAHFです。ですが、なぜこのタイミングで、そして、だれが支持しているのか、など謎が多いです。

 

ビットコインからビットコインキャッシュが分裂するなど開発者とマイナーによるビットコインの分裂騒動が起きている中、突如分裂したビットコインゴールドですが、分裂騒動との関係や、将来性はどうなんでしょうか?配布時期や仕組み、将来性を解説しました!

 

2017/11 segwit2xのハードフォークが見送られた

NYAによると、ブロックサイズを2MBにするというハードフォークが行われる予定でしたが、過去のUASF,UAHFのこともあり、ブロックサイズは今まで通りの1MBで、2MBへのハードフォークは行われないことが発表されました。


ビットコインの分裂騒動に関して詳しく知りたいかたは こちらの​記事を見てください。

最近頻繁に取りざたされる、ビットコインの分裂。あなたは分裂とは何か、どんなことが起きるかご存知ですか?この記事では、ビットコインの分裂スケジュールと、そのときどういったことが起きると予想されるかをコインオタクが詳しく解説します。

 

スケーラビリティ問題のまとめ

スケーラビリティ問題がどれほど解決しなければいけないものなのかはわかったかと思います。この解決策は様々出ていますが、どれもデメリットがあり、永久的に解決するものではないと思います。そのため、もしこの問題を解決できる通貨が登場したら、ビットコインに変わる存在になるのではないでしょうか。また、ビットコインも開発が活発なので、スケーラビリティ問題を解決するようなソフトフォークを実施する可能性もあります。今後も開発状況をチェックしましょう。